猫の視力は良くない
猫の瞳は大きくてきれいなのですが、視力はそれほど良くないです。
人間の10分の1くらいなので、視力で言うと0.1~0.3くらい、遠くのものを見るのも苦手。
時々、首を傾げるような仕草を見せるのもこのためで、焦点を合わせてしっかり見ようと目の角度を変えてることがあります。
もし猫が首を傾げていたら、猫がはっきり認識できるよう、ちょっと近づいてあげた方が良いでしょう。
色は、緑と青に反応する錐状体細胞を持っているので青や黄は分かるのですが、赤に反応する錐状体細胞がなく、赤は認識できず黒っぽく見えていると思われます。
ただの「シルエット」に反応
基本的に、猫が相手を見分けるてがかりは音やにおい、目で見分ける時には「シルエット」で判断します。
その証拠に、壁に猫のシルエットを描いた絵を貼っておくと本物の猫と思って近づき、鼻のあたりのにおいをかぎます。
においをかいだり触ったりして見てはじめて、「これは本物の猫ではない」ということが分かります。
この時、しっぽを上に立てたシルエットの絵だと近づく猫が多いので、人間が判断するのと同様、しっぽを上に立てるのは親愛や油工のしるしとみてよいでしょう。
人間に関しては、良く見知った飼い主でも、髪型や服装がいつもと全く違ったシルエットだとすぐに見分けられないことがあります。
こういった時は、恐る恐る近づいて、においをかいで飼い主かどうか確認するのです。
暗闇では良く見える
猫の目は、網膜の裏側にタペタムという反射層(輝板)があり、これに一度網膜を通過した光を反射させているので、暗闇で光ります。
このタペタムに反射させた光を再度網膜で感知させているので、わずかな光でも効率よく利用でき、暗がりでも目が利くようになっています。
元々の先祖は、ネズミが活発に動く日没時や夜明けころに狩りを行っていたので、猫は暗がりでの行動は大の得意。
しかし、全く光のない真っ暗闇だと見えず、じっとしてしまいます。
猫は基本的に夜行性ですが、真夜中には寝ていることから、完全に夜行性というわけでもないようです。
動体視力が優れている
また、猫の目は動体視力が優れています。
動体視力は人間の4倍あり、1秒間に4mmというわずかな動きでも感知できるとも言われています。
そのため、人間の目には蛍光灯はただの光に見えますが、猫には点滅しているように見えるので、部屋の明かりが苦手な猫もいるようです。
早い動きを見ることができる代わりに、ゆっくり動くものを目で追うことは苦手で、あまりにも動きがゆっくりとしているものは「止まっている」と勘違いするほどです。