猫の骨格の特徴
猫が捕まえる動物は、小さいネズミや小鳥です。
これらの小動物は大変すばしっこく、仮に人間が捕まえようとしても素手ではとても無理です。
そのため、猫は祖先から何百年もの時間をかけて、これらの小動物を捕まえられるよう、とても俊敏に動けるからだと脳を持つように進化しました。
猫は、人間と同じ哺乳類なので、体の基本的な造りは人間とそっくり、内臓や呼吸器、血液などはほとんど同じです。
骨格もほとんど同じなのですが、人間は約200本に比べ猫の骨は全部で約240本あるなど、いくつかの部分で違いがあります。
椎骨の違い
例えば、猫の背骨を作っている椎骨の数は人間より多く、それらの骨の一つ一つは筋肉によって緩やかにつながっているため、非常に柔軟です。
骨同士が緩やかにつながっていることで、どの方向にも柔らかく曲がるようになり、狭くて曲がりくねった隙間でも幅が自分の頭の幅くらいあれば通り抜けることができます。
一方、人間の背骨では、骨と骨が多数の固い靭帯によってつながっているので、前方にはかなり大きく曲げられるものの、横や後ろにはあまり曲げられないです。
鎖骨がない
また、猫の骨格には鎖骨がありません。
鎖骨は肩にある骨ですが、前足で物を持ち上げたり万歳する必要がないので、退化して小さくなり胸の筋肉の中に残っているだけです。
すると、鎖骨がないことで胸の幅が狭くなり、狭いところを通り抜けやすくなりました。
猫の脳は運動に特化
猫の脳にも、身軽に動ける理由があります。
猫の脳は、物事を記憶したり複雑なことを考えたりする前頭葉があまり発達しておらず、昔のことを思い出して懐かしがったり、翌日の食事について心配することがありません。
その分、周りの状況を感じ取る視力や聴力、運動能力を支配する感覚器官が極限まで発達しました。
居眠りしているときでも常に感覚器官が目覚めているため、目を覚ました瞬間に全力で行動に移ることができるようになっています。
このように、特有の骨格や筋肉、脳が猫を俊敏に動けるようにしているのです。