毎日の毛づくろい(グルーミング)
猫は、体を清潔に保つため、舌で体毛を舐める毛づくろいを日々欠かしません。また、狩りで獲物に悟られないようにするため、体臭を消す目的もあるので、猫自体が強いにおいを発することはあまりないです。
猫の祖先であるリビアヤマネコは、寒暖の差の激しい砂漠出身ですが、この気候に対応するため、暑い日中は体を舐めて唾液を蒸発させ体温を下げていました。
猫は1日のうち、およそ3分の2を寝て過ごすと言われていますが、残り3分の1の活動時間の中でも10%~30%を、毛づくろいに費やすくらいです。
髪やひげ、体など手入れすることを「Grooming」と言うので、毛づくろいは別名グルーミングとも呼ばれています。
転位行動としての毛づくろい
猫の毛づくろいは、体を清潔に保ち体臭を消すだけではありません。
何か失敗した時や飼い主に怒られた時、あるいは喧嘩していた猫同士が、途中で突然毛づくろいを始めたり、別の意味で毛づくろいを行うことがあります。
これは「転位行動」と呼ばれ、不安や恐怖、強いストレスを感じた時、一見無意味な行動で発散させる、全く別の第三の行動のことを指します。
生後1か月くらいまでの子猫は自分で毛づくろいができず、母猫が代わりに舌で行うのですが、この子猫時代の記憶も影響し、「毛づくろい=気分が落ち着く」という理由もあると思われます。
そのため、気分のリセットや気晴らし、気休めなどを目的として毛づくろいすることもあるのです。